音は間違ってないのに何かが違う。(・・?
どんなところに意識をもって感じて弾けばよいか、
ご自身で見つけて気が付くことができれば、より素敵な演奏になります。
このブログはピアノ独学の人を応援していますので、ここでは簡単な音楽理論と、特にロマン派に役立つ表現につなげるために知っておきたいことを載せていきます。
強弱表現について
音の強弱は、その曲の中で相対的にあるものとして考えます。
p(ピアノ)だから何デシベル以下で、というものではありません。
「小さく」というと、音がかすれてしまったり、「大きく」というとどこまでも大きくなってしまう生徒さんがいます。
そうではなく、その曲の中で私たちはどのくらいの大きさで弾くのかという相対的な指示が
p(ピアノ)やf(フォルテ)などで書いてあるだけです。
ですのでp(ピアノ)の中にもf(フォルテ)があったり、f(フォルテ)の中にもp(ピアノ)があるという感覚を持つと良いです。
p(弱く)といっても色々なニュアンスがあります。
・遠くの方で音が鳴っているようなイメージのp
・ロウソクの火が今にも消えていくようなイメージのp
・弱いけど音の〝芯〟がしっかりとあるp
・夢の中でモワモワとした感じの雰囲気のあるp
まだまだ沢山あります😃
1曲の中で計画的に強弱マップを作ると良いです。
どこが一番弱いか、強いか。
p(弱い)中でも程度はあって、例えば
ずっとpが続いていたとしても、ずっと同じ弱いままでは聴き手にインパクトがなくなってしまいます。
pの中にも「ここは大きいほう」「ここはより小さいほう」「ここは少しふくらませて」
など計画をもって練習すると良いです。
pのなかでグラデーションを作ると表現力につながると思います。
cresc. dim. について
cresc.とdim.と文字で書いてある場合と で書かれている場合があります。
この2つには違いがあります。
文字で書かれている場合は、だんだん強く(弱く)打鍵して、音量を大きく(小さく)という指示です。
フレーズの頂点に向かってだんだん強く、または終息に向かってだんだん弱くする意味です。
極端にいうと、文字で書かれている場合は音量のみの意味をもちます。
そして、 で書かれている場合は、クレシェンドやディミヌエンドをしますが、そこには
より気持ちを込めて、感情や重さを乗せて弾きます。
つまり、 のフレーズには気持ちが乗り、音量も含めた何かがあります。
感情が動く、あるいは歌う印ととらえると良いでょう。
音程について
音程は、音と音の距離を表します。
同じ音を弾くのは平地を歩いている感覚。2度(となりの音)は階段を一段上がる感覚。
3度は1個飛ばしで階段を上がる感覚です。5度の跳躍は…というように、
階段をイメージすると、音程が持つエネルギーを感じとれるかと思います。
音程がグッと大きく離れるときは、音の幅、エネルギーを感じて弾くと良いです。
例えば
ブルグミュラーの『別れ』18小節目と22小節目の違いについて
最初はソからミの6度ですが、次は8度(オクターブ)はなれています。
この高音のソにエネルギーを感じて、どんな音色で弾こうか!
それが表現力だと思います。
「ソからミ」と「ソからソ」には、当たり前だけど違いがあって、
だけれども、その違いを目で認識するだけではなく
「ミ(6度)」に上がるより、「ソ(オクターブ)」に上がるほうがエネルギーは大きい
のを感じとる
ことが表現力につながります。
そして、22小節目の高音のソはこの曲の最高音です!
しっかりと用意をして、響くように鍵盤の底までタッチをしたいです。
ピアノは鍵盤を押せば簡単にオクターブの音(音程)を出せますが
オクターブを歌う時、高音の音程を外さないように慎重になります。
慎重になると⇨ゆっくりになりますよね?!
そうなのです!ゆっくりでいいのです。
ゆっくり、というと極端になるので、「ソからソ」へは
たっぷりと歌いあげるように弾いていくと良いです。
ピアノを弾くときも、音程を外さないように、たっぷりと心の中で歌うことで表現をつけやすくなります。